目次
五洋建設（1893）総合分析レポート【2025年版】 🌊
🏢 企業概要
企業名: 五洋建設株式会社（Penta-Ocean Construction）
証券コード: 1893
業種: 建設業（海洋土木専門）
上場市場: 東証プライム市場
事業内容
- 海洋土木事業: 港湾・空港・防波堤建設の国内トップ企業
- 洋上風力事業: 洋上風力発電設備の建設・据付
- 国土強靱化事業: 防災・減災インフラ整備
- 建築事業: 一般建築・土木工事
事業特性
- 海洋土木のリーディングカンパニー: 国内市場シェア首位
- 高い技術力: 海中・海上での特殊工法に強み
- 政策連動性: 国土強靱化・洋上風力政策の恩恵
- 成長投資: 洋上風力向け作業船に790億円投資
📈 最新決算分析（2025年3月期）
📊 業績ハイライト
| 項目 | 金額 | 前期比 | 評価 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 7,275億円 | +17.8% | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
| 営業利益 | 217億円 | -25.6% | ⭐⭐☆☆☆ |
| 経常利益 | 188億円 | -30.8% | ⭐⭐☆☆☆ |
| 当期純利益 | 125億円 | -30.3% | ⭐⭐☆☆☆ |
📊 収益性分析
利益率推移
- 営業利益率: 3.0%（前期: 4.8%） → 悪化
- 経常利益率: 2.6%（前期: 4.4%） → 悪化
- 純利益率: 1.7%（前期: 2.9%） → 悪化
成長性評価
売上成長: 17.8%増 ⭐⭐⭐⭐⭐（大幅拡大）
利益成長: 営業利益-25.6%減 ⭐⭐☆☆☆（大幅悪化）
効率性: 売上増加 > 利益減少 ⭐⭐☆☆☆（効率低下）
🔮 次期予想（2026年3月期）
- 売上高: 7,270億円（-0.1%）
- 営業利益: 395億円（+82.1%）
- 経常利益: 360億円（+91.1%）
- 当期純利益: 250億円（+100.6%）
予想の背景: 海外事業の改善・国内需要堅調による大幅回復
💰 財務指標分析
🎯 バリュエーション指標
| 指標 | 実績 | 予想 | 業界平均* | 評価 |
|---|---|---|---|---|
| PER | 9.0倍 | 9.05倍 | 12-15倍 | ⭐⭐⭐⭐☆ |
| PBR | 1.05倍 | – | 1.0-1.5倍 | ⭐⭐⭐⭐☆ |
| 配当利回り | 3.74% | – | 3-4% | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
*建設業界の一般的な水準
🏛️ 収益性・効率性指標
| 指標 | 実績 | 予想 | 優秀基準 | 評価 |
|---|---|---|---|---|
| ROE | 7.22% | 11.56% | 10%以上 | ⭐⭐⭐☆☆ |
| ROA | 2.03% | 3.26% | 5%以上 | ⭐⭐☆☆☆ |
| 自己資本比率 | 26.1% | – | 30%以上 | ⭐⭐⭐☆☆ |
💪 財務安定性分析
強み
- 海洋土木トップ: 圧倒的な技術力・市場シェア
- 政策追い風: 国土強靱化・洋上風力政策
- 高配当: 配当利回り3.74%の安定配当
- 成長投資: 洋上風力向け790億円の戦略投資
- 受注堅調: 7,000億円突破の売上規模
注意点
- 利益率低下: 海外事業不振による収益圧迫
- 自己資本比率: 26.1%でやや低水準
- 景気敏感: 建設投資動向に左右される
- 投資負担: 大型作業船投資による財務圧迫
📊 株価・テクニカル分析
💹 株価推移（2025年8月時点）
現在株価: 839円
時価総額: 約1,836億円
52週レンジ: 600円 ～ 900円
📈 テクニカル状況
トレンド分析
- 長期トレンド: 上昇基調
- 中期トレンド: 600-900円のレンジ上抜け
- 短期トレンド: 1,000円台目指す展開
重要価格帯
- サポートライン: 800円（直近サポート）
- レジスタンスライン: 900円（レンジ上限）
- 目標水準: 1,000円（次の節目）
投資家センチメント
- 強気: 42.86%
- やや強気: 57.14%
- 中立・弱気: 0%
📊 株価動向の特徴
- 歴史的レンジ: 600-900円での往来を繰り返し
- 最近のブレイク: レンジ上抜けで1,000円台を目指す
- 高いセンチメント: 100%が強気の投資判断
🌊 洋上風力・海洋事業戦略分析
🎯 洋上風力への大規模投資
投資概要
- 総投資額: 約790億円（連結純資産の45.7%）
- 建造船舶: 大型基礎施工船（HLV）・ケーブル敷設船（CLV）
- 完成予定: 2028年2-3月
建造船舶の詳細
大型基礎施工船（HLV）
- 建造費: 約1,200億円
- 特徴: 全旋回式5,000トン吊クレーン搭載
- 対応: 15-20MW級風車のモノパイル施工
- 建造場所: シンガポール・シートリウム
ケーブル敷設船（CLV）
- 建造費: 約310億円
- 機能: 海底ケーブル敷設・埋設
- 環境対応: バッテリー蓄電・メタノールレディ
- 建造場所: シンガポール・パックスオーシャン
🔮 洋上風力市場の成長性
日本の洋上風力計画
- 政府目標: 2030年10GW、2040年30-45GW
- 市場規模: 数十兆円の巨大市場
- 技術優位: 五洋建設の海洋土木技術が優位
参画プロジェクト
- 秋田県男鹿市・潟上市・秋田市沖
- 発電容量: 31.5万kW（1.5万kW×21基）
- 運転開始: 2028年6月予定
- 風車メーカー: Vestas製
- 長崎県西海市江島沖
- 掘削工法による風車基礎設置
- 洋上工事を五洋建設が担当
💡 技術的優位性
- SEP船: 複数保有による競争優位
- 施工技術: 海洋土木で培った技術力
- 総合力: 基礎工事からケーブル敷設まで一貫対応
🏗️ 国土強靱化・建設事業
🛡️ 国土強靱化事業
事業領域
- 港湾防災: 防波堤・岸壁の耐震強化
- 空港整備: 滑走路・ターミナル建設
- 河川改修: 治水・防災インフラ整備
- 道路・橋梁: 交通インフラの強靱化
政策背景
- 防災・減災: 頻発する自然災害への対応
- インフラ老朽化: 高度成長期建設物の更新
- 予算継続: 長期的な公共投資計画
🌏 海外事業の課題と対策
現状の課題
- 2025年3月期: 海外事業で損失発生
- 利益圧迫: 営業利益率の大幅悪化要因
- プロジェクト管理: 大型案件でのコスト超過
改善策
- 選択と集中: 収益性重視の案件選別
- リスク管理: プロジェクト管理体制強化
- 2026年3月期: 大幅な業績回復予想
🎯 投資戦略・推奨
📊 総合評価
投資魅力度: ⭐⭐⭐⭐☆（4/5点）
投資タイプ: テーマ株（洋上風力・国土強靱化）
リスクレベル: 中程度
🎯 投資スタンス
短期（1-3ヶ月）
判断: 買い ⭐⭐⭐⭐☆
理由: レンジ上抜け・強気センチメント
中期（6ヶ月-1年）
判断: 強い買い ⭐⭐⭐⭐⭐
理由: 業績大幅回復期待・洋上風力本格化
長期（2-5年）
判断: 強い買い ⭐⭐⭐⭐⭐
理由: 洋上風力市場拡大・独占的地位
💰 投資戦略
エントリー戦略
- 現在水準: 800-850円（積極的買い場）
- 押し目買い: 750-800円（理想的エントリー）
- ブレイク: 900円突破後の追随買い
目標価格
- 第1目標: 1,000円（+19%、心理的節目）
- 第2目標: 1,200円（+43%、洋上風力本格化）
- 長期目標: 1,500円（+79%、市場拡大恩恵）
投資テーマ
- 洋上風力: 日本の再エネ政策の中核
- 国土強靱化: 継続的な公共投資需要
- 海洋技術: 独占的な技術・地位
リスク管理
- 損切りライン: 700円（レンジ下限割れ）
- ポジションサイズ: ポートフォリオの5-10%
- 投資期間: 3-5年の中長期投資
🏗️ 建設業界・洋上風力分析
🌍 建設業界環境
国内建設市場
- 公共投資: 国土強靱化で底堅い需要
- 民間投資: 設備投資・都市再開発継続
- 人手不足: 建設技能者不足が慢性化
- 資材高: インフレによるコスト上昇
海洋土木の特殊性
- 参入障壁: 極めて高い技術・設備要件
- 寡占市場: 五洋建設が圧倒的シェア
- 収益性: 特殊技術による高付加価値
- 継続性: インフラ更新需要の長期性
🔋 洋上風力市場
世界市場動向
- 急成長: 年率20-30%の市場拡大
- 技術進歩: 大型化・効率化が進展
- コスト低下: 発電コストの競争力向上
日本市場の特徴
- 政策支援: RE100・脱炭素政策
- 地理的優位: 周囲を海に囲まれた立地
- 技術課題: 台風・地震への対応技術
- 産業育成: 関連産業の国産化推進
🏆 競合分析
海洋土木での地位
- 五洋建設: 圧倒的な技術力・実績
- 東亜建設工業: 港湾土木で競合
- 若築建設: 中堅の海洋土木企業
洋上風力での競争
- 建設: 大成建設・鹿島建設も参入
- 作業船: 五洋建設が最大級船舶保有
- 総合力: 海洋土木技術で差別化
🔍 リスク要因・注意点
⚠️ 事業リスク
- 大型投資負担
- 790億円の作業船投資リスク
- 投資回収期間の長期化
- 金利上昇による負担増
- 洋上風力政策変更
- 政府政策の変更リスク
- 環境アセスメント長期化
- 電力系統接続の制約
- 海外事業リスク
- プロジェクト管理の難しさ
- 為替変動・政治リスク
- 現地パートナーとの関係
📊 財務・市場リスク
- 業績変動
- 大型案件の受注変動
- 工期延長によるコスト増
- 材料費・人件費上昇
- 財務体質
- 自己資本比率26.1%の低さ
- 借入金増加による財務圧迫
- 配当維持への影響
- 市場環境
- 公共投資予算の削減リスク
- 建設需要の急減リスク
- 競合他社の技術追随
🔮 今後の注目ポイント
📅 決算・イベント予定
- 次回決算発表: 2025年8月7日
- 株主総会: 2025年6月下旬予定
- 中間決算: 2025年11月予定
📊 注目指標
- 受注高: 洋上風力案件の獲得状況
- 営業利益率: 海外事業改善による回復度
- ROE: 11.56%予想の達成可能性
- 作業船稼働: 2028年完成船舶の稼働率
🌊 成長ドライバー
- 洋上風力拡大: 政府目標2030年10GW
- 作業船稼働: 2028年から本格運用開始
- 国土強靱化: 継続的な防災投資
- 技術輸出: 海洋土木技術の海外展開
📚 参考情報・関連用語
🔗 関連用語集
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🏗️ 業界分析
- 建設株: 景気敏感・政策敏感株の特徴
- テーマ株: 洋上風力・脱炭素テーマ
- ESG投資: 再生可能エネルギー・環境対応
📈 投資家タイプ別推奨
💰 配当投資家
魅力度: ⭐⭐⭐⭐☆
- 配当利回り3.74%の魅力的水準
- 安定的な配当継続方針
- 業績回復による増配期待
📊 バリュー投資家
魅力度: ⭐⭐⭐☆☆
- PER 9倍、PBR 1.05倍で適正水準
- 海外事業改善による割安感
- 時価総額対比の成長性
📈 グロース投資家
魅力度: ⭐⭐⭐⭐☆
- 洋上風力市場の急成長期待
- 790億円投資による将来収益拡大
- 脱炭素トレンドの恩恵
🌱 テーマ投資家
魅力度: ⭐⭐⭐⭐⭐
- 洋上風力・脱炭素の中核銘柄
- 国土強靱化テーマの恩恵
- 海洋土木の独占的地位
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外部リンク
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