目次
🏢 企業概要
企業名: 本田技研工業株式会社(Honda Motor Co., Ltd.)
証券コード: 7267
業種: 輸送用機器(自動車・二輪車)
上場市場: 東証プライム市場
事業内容
- 四輪車事業: 乗用車・商用車の製造・販売
- 二輪車事業: オートバイ・スクーターの製造・販売
- ライフクリエーション事業: 汎用製品・航空機事業
- 金融サービス事業: 自動車・二輪車ローン事業
事業特性
- グローバル展開: 世界30カ国以上での事業展開
- 技術革新: 独創技術による差別化戦略
- 電動化推進: EV・ハイブリッド車の開発強化
- 多様性: 四輪・二輪・航空機の多角化事業
📈 最新決算分析(2025年3月期)
📊 業績ハイライト
項目 | 金額 | 前期比 | 評価 |
---|---|---|---|
売上高 | 21兆6,888億円 | +6.2% | ⭐⭐⭐⭐☆ |
営業利益 | 1兆2,135億円 | -12.2% | ⭐⭐☆☆☆ |
経常利益 | 1兆3,176億円 | – | ⭐⭐⭐☆☆ |
当期純利益 | 8,358億円 | -24.5% | ⭐⭐☆☆☆ |
📊 収益性分析
利益率推移
- 営業利益率: 5.6%(前期: 約6.8%) → 悪化
- 経常利益率: 6.1%(前期: 約8.0%) → 悪化
- 純利益率: 3.9%(前期: 約5.4%) → 悪化
成長性評価
売上成長: 6.2%増 ⭐⭐⭐⭐☆(堅調拡大)
利益成長: 営業利益-12.2%減 ⭐⭐☆☆☆(大幅悪化)
効率性: 売上増加 > 利益減少 ⭐⭐☆☆☆(効率低下)
🔮 次期予想(2026年3月期)
- 売上高: 20兆3,000億円(-6.4%)
- 営業利益: 5,000億円(-58.8%)
- 当期純利益: 2,500億円(-70.1%)
予想の背景: 関税政策・中国市場減速による大幅減益
💰 財務指標分析
🎯 バリュエーション指標
指標 | 実績 | 予想 | 業界平均* | 評価 |
---|---|---|---|---|
PER | 27.4倍 | – | 12-15倍 | ⭐⭐☆☆☆ |
PBR | 0.56倍 | – | 1.0-1.5倍 | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
配当利回り | 3.0% | – | 2-3% | ⭐⭐⭐⭐☆ |
*自動車業界の一般的な水準
🏛️ 収益性・効率性指標
指標 | 実績 | 前期 | 優秀基準 | 評価 |
---|---|---|---|---|
ROE | 6.68% | – | 10%以上 | ⭐⭐☆☆☆ |
ROA | 2.76% | – | 5%以上 | ⭐⭐☆☆☆ |
自己資本比率 | 40.1% | – | 30%以上 | ⭐⭐⭐⭐☆ |
💪 財務安定性分析
強み
- 極低PBR(0.56倍): 解散価値を大幅に下回る割安
- 安定配当: 配当利回り3.0%の株主還元
- グローバル展開: 世界30カ国での事業基盤
- 技術力: 独創的な技術開発力
- 多角化: 四輪・二輪・航空機の事業分散
注意点
- ROE低下: 6.68%と資本効率の悪化
- 利益減少: 営業利益-12.2%の大幅減益
- 高PER: 27.4倍と業界平均を大幅上回る
- 中国依存: 中国市場減速の影響大
📊 株価・テクニカル分析
💹 株価推移(2025年8月時点)
現在株価: 1,422円
時価総額: 約26兆円
52週レンジ: 1,200円 ~ 1,600円
📈 テクニカル状況
トレンド分析
- 長期トレンド: 横ばい基調
- 中期トレンド: 1,400円台での推移
- 短期トレンド: レンジ相場
テクニカル指標
- 移動平均線: 短期・中期・長期の分析可能
- MACD: 移動平均収束拡散法による売買判断
- RSI: 相対力指数(70以上で買われすぎ、30以下で売られすぎ)
- ボリンジャーバンド: 価格帯の上下限分析
重要価格帯
- サポートライン: 1,350円(直近安値圏)
- レジスタンスライン: 1,500円(戻り高値)
- 目標水準: 1,600円(年初来高値更新)
📊 株価動向の特徴
- ボラティリティ: 中程度の値動き
- 流動性: 大型株として十分な売買代金
- 機関投資家: 海外投資家の保有比率高い
🔋 EV・電動化戦略分析
🎯 Honda 0シリーズ展開
次世代EV戦略
- 投入計画: 2026年北米開始、2030年までに7モデル
- 技術特徴: 薄型・高効率バッテリー搭載
- ターゲット: 小型から中大型モデルまで網羅
🌍 地域別電動化戦略
日本市場
- 2024年秋: 軽商用EV「N-VAN e:」発売
- 2025年: 軽乗用EV投入
- 2026年: 小型EV「操る楽しさを際立たせた」モデル
- 超小型モビリティ: モバイルパワーパック4個搭載
中国市場
- 2027年まで: EV 10機種投入
- 2035年目標: EV販売比率100%
- 新型EV: 「烨(yè:イエ)」シリーズ発表
北米市場
- 2025年: LGエナジーとの合弁バッテリー工場稼働
- 生産能力: 年間40GWhのバッテリー生産
📊 投資計画の修正(2025年5月)
戦略見直し
- EV投資: 10兆円 → 7兆円に縮小
- EV販売目標: 200万台 → 75万台に下方修正
- 理由: カナダEV・バッテリー生産の一時停止
柔軟な対応
- 工場立ち上げ: 「十分調整の余地がある」
- 戦略変更: 環境変化に応じた戦略修正可能
- ハイブリッド強化: EV・HVの両軸戦略
🏍️ 事業セグメント分析
🚗 四輪車事業
業績動向
- 販売状況: 中国・ASEAN減少、北米HEV拡大
- 課題: EV販売向けインセンティブ強化の影響
- 戦略: 次世代ハイブリッドモデル2020年代後半投入
🏍️ 二輪車事業
好調な業績
- 販売台数: グローバルで好調推移
- 実績: 販売台数・営業利益・営業利益率で過去最高
- 地域: 新興国市場での需要拡大
✈️ ライフクリエーション事業
多角化戦略
- 汎用製品: 農機具・発電機等
- 航空機事業: HondaJet等の航空機製造
- 新技術: 電動航空機の研究開発
🎯 投資戦略・推奨
📊 総合評価
投資魅力度: ⭐⭐⭐☆☆(3/5点)
投資タイプ: バリュー株(割安・配当重視)
リスクレベル: 中程度
🎯 投資スタンス
短期(1-3ヶ月)
判断: 中立 ⭐⭐⭐☆☆
理由: 業績低迷で方向感欠く
中期(6ヶ月-1年)
判断: 弱い買い ⭐⭐⭐☆☆
理由: 極低PBRの割安感、配当魅力
長期(2-5年)
判断: 買い ⭐⭐⭐⭐☆
理由: EV・電動化での巻き返し期待
💰 投資戦略
エントリー戦略
- 現在水準: 1,400-1,450円(分割購入)
- 押し目買い: 1,300-1,350円(積極的買い場)
- 長期投資: 配当3%で長期保有
目標価格
- 第1目標: 1,600円(+13%、年初来高値更新)
- 第2目標: 1,800円(+27%、EV戦略進展)
- 長期目標: 2,000円(+41%、電動化成功)
投資テーマ
- 割安株: PBR 0.56倍の極端な割安感
- 配当株: 配当利回り3.0%の安定収入
- 電動化: EV・ハイブリッド戦略の恩恵
リスク管理
- 損切りライン: 1,250円(サポート割れ)
- ポジションサイズ: ポートフォリオの10-15%
- 投資期間: 3-5年の中長期投資
🔍 リスク要因・注意点
⚠️ 事業リスク
- 中国市場依存
- 中国での販売台数減少継続
- 地政学リスクによる影響
- 現地競合企業との競争激化
- 電動化遅れ
- EV投資計画の下方修正
- テスラ・BYD等との技術格差
- バッテリー技術での後発感
- 関税・貿易リスク
- 米国政権の政策変更影響
- 各国の関税政策不透明
- サプライチェーン再構築コスト
📊 財務・市場リスク
- 収益性悪化
- ROE 6.68%の低水準
- 営業利益率の継続的悪化
- 投資リターンの低下
- 為替リスク
- 海外売上比率80%超
- 円高時の業績圧迫
- 新興国通貨安の影響
- 競合激化
- トヨタとの技術・規模格差
- 中国・韓国メーカーの台頭
- 新興EVメーカーとの競争
🔮 今後の注目ポイント
📅 決算・イベント予定
- 次回決算発表: 2025年8月6日
- 株主総会: 2025年6月下旬予定
- 中間決算: 2025年11月予定
📊 注目指標
- 中国販売台数: 回復ペースの確認
- 営業利益率: 5%台の回復可能性
- ROE: 10%水準への改善
- EV販売台数: 電動化進捗の確認
🔋 成長ドライバー
- Honda 0シリーズ: 2026年からの本格展開
- ハイブリッド強化: 次世代HVの競争力
- 二輪車好調: 新興国での需要拡大
- 航空機事業: HondaJet等の成長
📚 参考情報・関連用語
🔗 関連用語集
- 株式投資用語集 – ROE、PER、PBRの詳細解説
- 市場・投資用語集 – バリュエーション指標
- 経済指標用語集 – 自動車販売統計
- トレーディング戦略用語集 – 決算分析・セクター戦略
📊 関連記事
- 決算発表で勝つ!セクター別投資戦略【2025年最新版】 – 自動車株決算分析
- トヨタ自動車(7203)総合分析レポート – 業界比較参考
🚗 業界分析
- 自動車セクター: 景気敏感株・電動化テーマ
- バリュー株: 割安・配当重視投資
- 技術革新: EV・自動運転技術の進展
📈 投資家タイプ別推奨
💰 配当投資家
魅力度: ⭐⭐⭐⭐☆
- 配当利回り3.0%の安定配当
- 連続減配リスクは限定的
- 長期保有での安定収入期待
📊 バリュー投資家
魅力度: ⭐⭐⭐⭐⭐
- PBR 0.56倍の極端な割安感
- 解散価値を大幅に下回る水準
- 長期的な価値修正期待
📈 グロース投資家
魅力度: ⭐⭐☆☆☆
- 現在の成長率は低迷
- EV戦略の不透明感
- 短期的な成長期待は限定的
🌱 テーマ投資家
魅力度: ⭐⭐⭐☆☆
- EV・電動化テーマに該当
- ただし戦略修正で不透明感
- 長期的な電動化恩恵は期待
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外部リンク
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